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執筆者の写真大島寿美子

グループディスカッションへの機能的サブグループの活用

欧米ではSCTが企業のコンサルティングや学校教育にも活用されています。私たちは、SCTの中核的手法である「機能的サブグループ」が日本の学校や企業でのコミュニケーション教育に活かせるのではないかと考えています。現在研究会では活用例をケーススタディとして蓄積しているところですが、そのひとつとして、ここでは学校の授業での応用例をご紹介します。


場面はグループディスカッションです。授業ではまず準備として機能的サブグループについて説明し、2人1組になって話し、聞き、理解し合う「アクティブリスニング」を行います。その後、グループで機能的サブグループの方法を使ってコミュニケーションの練習をします。


次に賛成、反対に分かれるような論争的なグループディスカッションのテーマについて機能的サブグループを使って話し合います。今回は「動物園をなくすべきか」というテーマを提示しました。「なくすべきではない」という大きなサブグループと「なくすべき」という小さなサブグループができましたが、続けていくうちに「なくすべきではない」というサブグループの中からも「動物は自然の中で暮らす方が幸せかもしれない」という意見も出て、より深い話し合いへと進んでいきました。


限られた時間だったことから結論を導くまでには至りませんでしたが、振り返りでは「様々な意見が出て広い視野で物事を考えることができた」「同じ意見でも違った観点からの意見があることを学んだ」「自分だけでは思いつかないようなことを他の人から知ることができた」「部活動のミーティングでいつもピリピリしていたがそれは相手の意見を否定していたからだとわかった」「賛成反対の違いが面白いと思った」「共通点から話をすすめているのに最終的にいろんな意見が出たのが面白いと思った」「いつもより人の意見を聞くようになるのでより良い討議になると思った」など、それぞれに学びや発見があったことが語られました。


機能的サブグループを使った話し合いでは、人の話をよく聞き、ありのままに受け止め、自分に似ているところを見つけます。また、違う意見があるときはグループが準備できているか尋ねてから述べます。こうした枠組みが参加者に安心感や信頼感をもたらし、率直な話し合いができる場を提供します。ほんの短いディスカッションでも、こうした機能的サブグループの良さを実感できるとわかったことが今回の発見でした。

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